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舘鼻 則孝 TATEHANA Noritaka

仏教には、人が亡くなる際に、極楽浄土から阿弥陀如来が雲に乗り迎えにくるという考え方があります。その来迎に着想を得て制作されたのが本作品です。舘鼻の描く来迎図には、阿弥陀如来が描かれる代わりに雷が描かれています。雷は神道において「神のみたまが依り憑く」場面をモチーフとして表していると言われ、仏教と神道の価値観が共存する「神仏習合」と呼ばれる習合思想が示されています。日本古来の価値観を見つめなおした本作品は、あらゆる思想や文化が共生するためのヒントを与えてくれるようです。

アクリルガッシュ、アクリル、ステンレススチール、吉野檜
Acrylic, acrylic board, stainless steel, wood
H130 W130 D6cm

2021
MIROKU NARA