牛―なにも見失ってはいないのに、なにを探しているのか

華雪 Kasetsu

華雪は、幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、以来、文字の表現の可能性を探求することを主題に、国内外で展示やワークショップを行っている。今回のKUMU金沢の作品は、見失った牛を探し求める牧童の道行を十枚の絵で描いた「十牛図」をモチーフに作品を制作。エレベーターホールには「牛」を制作。すぐ近くにいるはずの「牛」に表せるなにか大切なものを、ひとは“尋牛”として探し始まる。それは旅の始まりにもどこか重なる。

二俣和紙、膠、煤、墨
協力:斎藤博(二俣和紙)、前田秀畹堂・前田倫明(表具)
H152 W152 D1.3cm

2017
KUMU KANAZAWA
*代表高山が前職(株式会社ノエチカ)で手掛けたキュレーション